会議が終わったあと、録音を聞き直しながら議事録を1時間かけて作る——。そんな光景は、いまも多くの会社に残っています。この記事では、スマホ録音とAIを使って議事録作成を自動化する方法を、私たちが地方の中小企業の支援現場で実際に試してきた経験をもとに、工務店・飲食店など業種別の具体例とあわせてご紹介します。
議事録づくりは「AIがもっとも得意な仕事」のひとつ
「会議1時間、議事録作成にもう1時間」。この時間をもったいないと感じたことはないでしょうか。音声の文字起こしと要約は、いまの生成AIがもっとも得意とする領域です。専用の高価なシステムは必要ありません。いつものスマートフォンと、ChatGPTやGemini、Claudeのような生成AIがあれば、今日から始められます。

やり方は3ステップ
- 会議のテーブルにスマホを置き、ボイスメモで録音する
- 録音データをAIに渡し、「議事録にまとめて」と依頼する
- 出てきた下書きの誤変換や固有名詞を直して完成
AIへの依頼文は、難しく考えなくて大丈夫です。たとえばこんな一文で十分です。
「この録音は社内の定例会議です。①決定事項 ②検討中の課題 ③誰がいつまでに何をやるか(担当と期限)の3つに整理して、議事録にしてください」
これだけで、読みやすい箇条書きの議事録の下書きが返ってきます。慣れてきたら自社の議事録フォーマットを最初に渡しておくと、毎回同じ型で仕上がるようになります。実際、私たちが支援しているある会社の定例会議では、このやり方に切り替えたことで議事録の下書きが数分で完成するようになり、これまで議事録づくりに使っていた時間はほぼゼロになりました。決定事項の抜け漏れが減るというおまけ付きです。
【業種別】こんな場面で効果を発揮します
どんな会議でも使えますが、「記録が残っていないことで損をしやすい場面」から始めると、効果を実感しやすくなります。
工務店・建築会社の場合
効果がもっとも大きいのは、施主様との打合せの記録です。仕様の変更、色の指定、追加工事の口約束——住宅業界の「言った・言わない」トラブルの多くは、打合せの記録が残っていないことから生まれます。打合せをスマホで録音してAIで議事録化し、「本日の決定事項」として施主様へその日のうちにメールで共有すれば、認識のズレをその場で解消できますし、お客様からの信頼も高まります。
ほかにも、現場定例の申し送り、職人さんへの指示内容の記録、リフォームの現地調査メモなど、「現場で口頭のまま流れていた情報」を資産として残せる場面はたくさんあります。
飲食店の場合
店長ミーティングや新メニューの試作会議で「話して決めたはずのことが、現場のスタッフに伝わっていない」と感じたことはないでしょうか。会議を録音してAIに「決定事項と、店舗スタッフへの共有事項に分けてまとめて」と頼めば、そのままグループLINEや社内チャットに貼れる連絡文まで作ってくれます。アルバイトスタッフへの伝達漏れや、店舗ごとの温度差といった飲食店ならではの悩みは、「決まったことを全員が同じ文面で見られる」ようにするだけで、かなりの部分が解消します。
そのほかの業種でも
保険代理店ならお客様との面談記録、製造業なら朝礼や安全会議の記録、士業なら顧問先との打合せメモ——。「あとから振り返りたい会話」があるすべての業種で、同じやり方がそのまま使えます。

現場で気づいた3つの注意点
- 録音は会議の冒頭にひとこと断ってから。社内外の信頼を守るための基本マナーです
- 固有名詞・金額・日付は必ず人の目で確認する。音声認識には誤変換があります
- 顧客情報を扱う会議では、会社として利用ルールを決めたうえで、データが学習に使われない設定・プランを使う
特に3つ目は重要です。社員が個人アカウントのAIに顧客情報を入力している状態は、情報漏洩のリスクにつながります。「便利に使う」と「安全に使う」は、必ずセットで整えましょう。
シンクアスがお手伝いできること
議事録のAI化は、自分たちだけでも始められます。一方で、「どのツールを選べばいいかわからない」「一度試したが社内に広がらなかった」で止まってしまう会社が多いのも事実です。シンクアスでは、次のような形で伴走しています。
- ツール選定と安全な初期設定:ChatGPT・Gemini・Claudeなどから自社の環境と予算に合うものを一緒に選び、入力データが学習に使われない設定まで整えます
- 議事録テンプレートの整備:「決定事項・課題・担当と期限」など自社の会議に合った型を作り、誰がやっても同じ品質になるようにします
- 蓄積の仕組みづくり:作った議事録をクラウドに溜めて、あとから検索できるようにします。ベテランの頭の中にあった情報を会社の資産に変える第一歩です
- 社内への定着支援:実際の会議で一緒に運用しながら、月額の伴走支援で定着までサポートします
実際にご支援中のある会社では、「スマホで録音→AIで議事録→クラウドに保存」までの流れを約1ヶ月で定着させ、いまでは打合せのたびに議事録が自動で溜まっていく状態になっています。大きな初期投資は不要で、月額の支援で数ヶ月から試せます。
まずは次の定例会議で試してみませんか
議事録は、AI活用の効果をもっとも実感しやすい入り口です。ここで「AIはうちでも使える」という手応えを社内で共有できると、経費精算や書類処理など、次の自動化にも一気に弾みがつきます。
自社のデジタル活用の現在地を知りたい方は、5分で診断できる「中小企業のDX/AI化を推進するための10のチェックリスト」(無料)もぜひご活用ください。「うちの場合はどこから?」という疑問には、30分の無料オンライン相談でお答えしています。

